Netflixオリジナル『カウボーイビバップ』(以下、「実写版」)は想像以上にB級なドラマだった。公開から1カ月が経ち、世界的にも評判は芳しくはないようで、つい先日シーズン2の制作がキャンセルされる報道があった。 だが僕が思うに、原作を無視したからそうなったのではない。逆だ。おそらく原作アニメを忠実に実写化しようと掘り下げた結果、皮肉なことにB級になったのだ。 原作アニメが「本質を迂回しながら、本質のように見えるフェイク」を徹底していることに、制作側はたぶん気がついている。なので正確にフェイクさも実写化しようとする努力の結果、アメリカのB級映画の表現を採用したように映る。しかし原作アニメは「フェイクでありながら、本質のように見える」ことが大事であり、その機微は失われている。 本作がB級表現を取るのは構わないのだが、B級ならではの強みを生かしきれていない。『イカゲーム』(2021)のように優
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