高橋裕先生(たかはし ゆたか、国際連合大学上席学術顧問・東大名誉教授)は、ダム工学会・若手の会主催による「第4回語りべの会」(2010年1月18日)において「永田 年と佐久間ダム」というテーマでご講演されました。その中で、かつて土木学会で行われた作家・司馬遼太郎さんとの対談を引用されつつ、高度成長時代を支えたダム建設を通して、土木の役割について語られました。 今回は、こうしたご講演などを踏まえ、今現在、ダムや土木事業が直面しているさまざまな問題解決のためには、どういったアプローチが必要なのか、また、どういった方向性での解決に道が見えてくるのかについて、水問題や河川についての幅広い観点から、あらためてご教示いただければと思いインタビューさせていただくことにします。 (インタビュー・編集・文:中野、写真:廣池) 中野: まず初めに「土木を取り巻く諸問題について」という事でお話しを伺いたいと思い