茨城県つくば市の防災科学技術研究所は22日、人工的な崖に大雨を降らせて土砂崩れ起こす再現実験を行った。広島市の土石流発生から間もない中、参加した日本地すべり学会の関係者らが熱心に見守った。 実験は国内最大の大型降雨実験施設で実施。観測技術を開発する企業7社も加わった。川砂を厚さ1メートルに固めた高さ5メートルの崖に、1時間ごとに雨量を毎時50ミリ、75ミリ、100ミリと増やして降らせ、地下水位などを観測した。砂は粒が0・1~1ミリと、広島の土石流現場の真砂土(まさど)と似たサイズで、土砂崩れにはほぼ同条件だった。 開始から2時間40分ほどで、砂の層の底から3分の1が一様に地下水に浸され、地面の微少なひずみが加速度的に増えたことから、実験チームは「崩れる」と場内放送。十数分後に斜面全体が滑り落ちた。 研究所の酒井直樹主任研究員は「実験での予測は出来るが、複雑な自然条件では難しい。実験と観測を