土砂災害から人家や道路を守る「砂防」を専攻する大学教員の減少を受け、砂防学会は27日までに「将来の防災・減災に大きな影響を与えかねない」とする緊急声明を発表した。今後5年間、若手研究者への支援や広報活動を強化することも明らかにした。 声明では、土砂災害対策の必要性が高まる一方で「産官学のいずれでも砂防の人材が不足している」と指摘。学会として若手の研究費助成や国際研究に参加しやすい環境づくりに取り組むほか、関連書籍の出版委員会も設立する。 会長の海堀正博広島大教授は取材に「防災教育のニーズも高く、国や大学は砂防の重要性を見直すべきだ」と訴えた。 国土交通省によると、砂防を専攻する助教、准教授、教授は2007年4月時点で計62人いたが、昨年4月には47人に減少。昨年の土砂災害発生件数は3459件と過去最多を記録した。〔共同〕