ウクライナ軍が8月6日に開始したロシア西部クルスク州への電撃的な侵攻はロシアの不意をつき、敵領内深くまで入り込み、州都クルスク市を脅かしている。不意をつかれたのは西側のアナリストたちも同じだ。ウクライナはこの攻勢で、ロシアが数カ月かけて獲得している領域よりも広い領域を数日で手中に収めた。何が起こっているのかを正確に説明するのは難しいが、成功はウクライナ軍が体得した新しい戦法で達成されたようだ。 第1部:電子電撃戦ロシアのテレグラムチャンネル「トロイカ」によると、ウクライナ軍は今回、以前に北東部のハルキウ州方面でより小規模なかたちで試していた戦術を用いた。これについてはOSINT(オープンソース・インテリジェンス)アナリストのRoyが取り上げている。 ウクライナ軍はまず、ロシア側の監視網を張っている航空機型偵察ドローン(無人機)を撃墜し、ロシアの指揮官の目をくらました。撃墜には、防空レーダー