福岡、佐賀県境の脊振(せふり)山系で17日から18日にかけ、登山者から「クマのような動物を見た」という目撃情報が両県警に寄せられた。九州では野生のクマは絶滅したとされているが、両県警は万が一に備えて注意を呼びかけている。 両県警によると、目撃場所は佐賀県神埼市の脊振山(1055メートル)山頂の西側約4キロと約2キロの地点で、九州自然歩道上。計3人が目撃し、「体長約1メートルのクマみたいな動物が走って逃げるのを見た」「茂みから出てきた。立っていたようだった」などと通報した。 九州では1957年に大分、宮崎県境の山中でツキノワグマの子グマの死体が見つかったのを最後に、野生のクマは未確認。生息が確認されれば、半世紀ぶりとなる。 ただ、専門家の見方は慎重だ。日本クマネットワーク会員の栗原智昭さんは「豊富な落葉広葉樹林がないとツキノワグマは繁殖できず、脊振山は生息に適していない。野生のクマとは思えな