今週は、最近のニュースそのものを取り上げるのではなく、現在の経済を考える上で重要な論点を一つ提示してみたい。 一昨年辺りから「格差」が大きな話題になり、「100年に一度の経済危機」という言葉が人口に膾炙するようになってからは「景気対策」が当然のことのように語られている。これに伴って、最近では、「小さな政府」路線を見直して「大きな政府」を目指すべきだという意見がしばしば語られるようになった。 もちろん、議論があるのはいいことだ。それに、経済的な格差は確かに存在するし、マクロ経済的な環境整備(たとえばインフレ・デフレの調整)で政府が出来ることをやるのは必要だし悪いことではない。ただ、格差の是正や景気対策が、常に必ず「大きな政府」を意味するのではない、ということについて確認しておきたい。 先日、社会保障基本法の制定を求める意見を持つ方が講師を勤めるセミナーを聴講してきた。引用の了解を取る時間がな
