逃げるか討つか。（イラスト／別珍嘆） 表現したい女の子たち 最近、10代から20代の【表現したい女の子】と話す機会が増えた。39歳の私が、生んでいてもおかしくはない年齢の娘たちは、みな、才色兼備で可愛らしく、自分と社会と膝を突き詰めて芸の道を追求する姿勢が逞しい。一緒に遊んでいると、とても楽しいし、精神が老けないので重宝するものの、「ナガコさん、お酒、飲みすぎです」「酔いすぎです」と叱られる度に、「本当に申し訳ありませんでした」と平謝りを繰り返す己が不甲斐ない。来世は頑張る。 さて。かつて【表現】は、特定の文化圏や産業の都合によって【選ばれた者】のみに許される特権的な活動だった。表現・承認欲自体は人間の持つ普遍的な欲望だから、芸術家として生きなくとも、プロとして金を稼がなくとも、趣味として堪能すれば事欠かないという線引きもあった。インターネットの発展以降は、線引きするまでもなく、誰もが自由

めそめそしている間、役所のカウンターではなく、人目につかない面接室に居れて、ありがたかったです。面接室、万歳！　です。 相談係さんが申請するのに必要なもののリストをくれました。預金通帳・賃貸契約書・光熱水費領収書・印鑑など、住宅支援の時に必要だったものとほとんど同じでした。 違うものは、生活保護を受けるには、今のアパートの家賃が高すぎるので、引っ越さねばならない点。新しい物件を見つけて、不動産屋で間取り図と清算書（敷金・礼金・家賃など、引っ越しの時に必要な費用が書かれている書類）をもらって、申請の日に一緒に提出してください、とのことでした。 それはさておき、気になるのは扶養照会のことです。 両親に役所から連絡がいって私の住所が知れるのはなんとしても避けたいのですが、と伝えると 「その旨は引き継ぎしておきますので、ケースワーカーさんに、ご自分からも仰ってください」 とのことでした。 無知なの

私は面接室に設置された緑色のマットをじっと見つめたままでした。どうしよう。けどずっと面接室に居座ってる訳にもいかないし、とっとと決断しなければ。 その時ふと頭に浮かんだのが、前の晩に読んだ本の内容でした。荻上チキさんの『彼女たちの売春（ワリキリ）』（扶桑社・2012年） 『彼女たちの売春（ワリキリ）』には、生活の為に売春（ワリキリ）せざるを得ない女性が沢山出てきます。私はシンパシーを感じ、むさぼるように読んだのです。様々な病気を抱えて、昼の仕事を続けることが難しく、他に生活する手段がなくてワリキリをする。お薬を飲みながら。病院に通いながら。 それを読んだ時、「病気なんだし、公的な支援に頼ってもいいんじゃないかなぁ、助けを求めればいいんじゃないかなぁ」などと、偉そうに思ってしまったんですよ。まさか数時間後に、自分が支援を受ける決断をしなければならないとは夢にも思わず、いい気なものでした。 必