「つまんなくなってしまう」と、死神に狙われます。 仕事を引退した途端、腑抜けのようになってしまうおじさんとかおばさんとか、いますよね。 ひとってやることがなくなって、誰からも必要とされなくなると、あっという間に世の中色あせて見えてつまんなくなって、いつ死んでももういいかってなるんです。 『眠狂四郎』シリーズの柴田錬三郎さんのエピソードなんですが。 1945年の終戦直前のこと、衛生兵として召集を受けたシバレンさんは、輸送船に乗せられて台湾からフィリピンに向かう途中のバシー海峡で、船がアメリカ軍に撃沈され海に投げ出されます。 この輸送船って超ボロボロなのにくわえて、バシー海峡にはアメリカ軍が待ち構えてたんで、ここを通過できる船って少なかったらしい。 記録では200隻、10万人もの兵士が海峡に沈んだと推計されています。 で、シバレンさんも、漂流物につかまって何日かバシー海峡にぷかぷか浮いてたそう