タグ

ブックマーク / hiroyukikojima.hatenablog.com (7)

  • 数学はいかにして世界を変えるか - hiroyukikojima’s blog

    今日は、ぼくが関わる8月の刊行物を紹介しておこうと思う。それは、雑誌『現代思想』9月号と拙新著『天才ガロアの発想力』技術評論社の二つなのだ。どちらも月末には店頭に並ぶ。実は、この二つには、絶妙な関係性があるので、クロスオーバーしながらお話してみたいと思う。 まず、『現代思想』9月号(青土社)。著者校正も終了したし、編集者の許可も得たので、書いてしまおう。特集名は、(変わる可能性もあるだろうけど今のところ) 、「現代数学の思考法〜数学はいかにして世界を変えるか」。この特集には、ぼくは企画の段階から協力させていただき、記事も2つ参加している。一つは、リード文の「現代数学の抽象化・物質現象認識の抽象化」という短い論考で、もう一つは、物理学者二人との鼎談。鼎談の相手は、な、なんと、学習院大学の田崎晴明さんと、東大物性研究所の加藤岳生さん!!。 遂に、田崎さんと初めてお会いしてしまいました。このブロ

    数学はいかにして世界を変えるか - hiroyukikojima’s blog
  • 小飼弾さんの書評に恐れ入るの巻 - hiroyukikojima’s blog

    小飼弾さんが、ぼくの新著『使える!経済学の考え方』ちくま新書に書評を書いてくれた。 404 Blog Not Found:数理は有利 - 書評 - 使える!経済学の考え方 小飼さんは、今年出たぼくの4冊ののうち、3冊を書評してくださってて、そのどれもがすばらしいんだけど、今回のは他の二冊とは違う意味合いですごいと思う。他の二冊は、数学なので、小飼さんが適切に評することができるのは、まあ、全く不思議ではないのだけど、今度のは完全に経済学どっぷりのなので、さすがに小飼さんは専門外のはず。専門外にもかかわらず、これほど的確にぼくのを読みとけてしまうことには、震撼せざるを得ないのだ。小飼さんはこういう。 私事で恐縮なのだが、少なくとも私にとっての数理というのは、情緒の harness だ。そして著者も実はそうであることは、書の行間からもびしばしと伝わってくる。著者の作品はいずれもそう

  • 0.999・・・は1と等しいか - hiroyukikojima’s blog

    刊行からだいぶたってしまったが、吉永良正さんの『アキレスとカメ』講談社というたいへん楽しいを紹介しよう。 吉永さんは、ぼくが東京出版の受験雑誌『大学への数学』や『高校への数学』に連載し出した頃、同じように連載を持った人だが、サイエンスライターとしては大先輩であり、すばらしいをたくさん書き、また翻訳もしている。現在は、大東文化大学の先生をされているので、ライターから大学教員になった、という経歴も似ており、勝手に親近感を抱いている。何度か対談をさせていただき、いっしょにお酒を飲んだこともあるので、知人と言ってもいいと思う。ライターとして気骨を持ったかたで、物書きとして生きていく上での心構えなどを教えていただいた。 アキレスとカメ 作者: 吉永良正,大高郁子出版社/メーカー: 講談社発売日: 2008/07/02メディア: 単行購入: 19人 クリック: 395回この商品を含むブログ (1

    0.999・・・は1と等しいか - hiroyukikojima’s blog
  • 数学のフィロソフィー - hiroyukikojima’s blog

    今並んでいる『現代思想』2008年11月号は、テーマは「<数>の思考」、要するに整数論の特集なのだ。「現代思想」という雑誌の性格上、かなり冒険的な特集だと思う。ぼくは、企画段階でちょっとアイデアを出し、あとは数論専門家の黒川信重さんの聴き手を務めた。 現代思想2008年11月号 特集=〈数〉の思考 出版社/メーカー: 青土社発売日: 2008/10/27メディア: ムック購入: 21人 クリック: 130回この商品を含むブログ (8件) を見る 黒川先生のゼータ関数とリーマン予想に関するお話も非常にエクサイティングなもので、数学ファンは必読だと思うが、ぼくがお勧めの論考は、伴克馬さんの『ガロア理論の世界観』と吉田輝義さんの『類体論と現代数学』。どちらも、若手の俊才である。彼らの論考の面白さは、数学の知識そのものを啓蒙している、というより、「数学のフィロソフィー」を語っているところにある。多

    数学のフィロソフィー - hiroyukikojima’s blog
  • 統計学の面白さはどこにあるか - hiroyukikojimaの日記

    先日、とあるパーティで、統計学者の松原望先生と会った。 松原望先生は、早期からベイズ統計学の重要性を世にアピールしてきた先駆者である。ぼくは、経済学部の大学院在学時に、選択科目ではあったが、松原望先生の「ベイズ統計学」という講義を受け、そこでベイズ理論の指南をしていただいた。ぼくは『確率的発想法』NHKブックスや『使える!確率的思考』ちくま新書の中で、ベイズ理論を紹介していて、それが多くの読者にウケて、この二冊はセールス的にも良い実績を出しているのだけど、正直言ってここに書いてあることの多くは、松原望先生の講義の受け売りである。そういう意味では、下品ないいかたになるが、大学院の数ある講義の中で最も「金に換えることのできた」講義が先生の講義だった、ということになる。 そのときは、放送大学の教材であった『統計的決定』というを教科書に使った。これがめちゃくちゃいいで、今でもベイズ統計学に関し

    統計学の面白さはどこにあるか - hiroyukikojimaの日記
  • ビールを公平に分ける方法 - hiroyukikojima’s blog

    これは、一度、Wired visionのブログにhttp://wiredvision.jp/blog/kojima/200803/200803061103.htmlとして書いたことだけど、こっちの個人ブログにも、多少味付けを変えて書いておこうと思う。 公平とか平等とかいうことばは、ひとをうっとりさせるに十分な甘い響きを持っているけど、よく考えると当はとても難しくて手におえない話だ。それをわかってもらうために、「ピッチャーのビールを公平に分けるにはどうすればいいか」という単純な問題にして考えることにする。そういう喩えにするけど、背後には「社会における公平」についての問題意識が込められていることは、念頭に置いて読んで欲しい。 今、ピッチャーになみなみ入ったビールがあるとする。それと形のちがったコップがいくつかあるとしよう。このとき、ビールを公平にコップに取り分けて飲むにはどうすればいいのだろ

    ビールを公平に分ける方法 - hiroyukikojima’s blog
  • 隠れて物理を勉強する - hiroyukikojima’s blog

    ちょっと前から隠れて物理を勉強している。使っているは、山義隆『新・物理入門』駿台文庫、である。出版社名を見ればわかる通り、これは高校生向けの参考書である。 物理を勉強したいのは、研究上の必要と個人的な興味と両方なのだが、研究上必要な部分については、ちゃんともっと専門的なで勉強しているので、このを読んでいるのは個人的な興味のためである。そもそもは、熱力学や統計力学のことをわかりたくて、畏友の物理学者・加藤岳生にいろいろ根掘り葉掘り質問していたら、彼が「小島さんの疑問に答えられる最もいいは、山さんの参考書ではないか」といったのだ。そして、「高校生向けの参考書だけれど、普通の大学生向けの物理の教科書には書いていない根源的な問いに関する説明が試みられている名著ですよ」とも付け加えてくれた。それで買ったのだ。ぼくは、拙著『算数の発想』NHKブックスや『ゼロから学ぶ線形代数』講談社などに、

    隠れて物理を勉強する - hiroyukikojima’s blog
  • 1