「人はなぜレイプするのか」について、意見をいただいた。真面目な話題であるにもかかわらず、猥談レベルだとか、不快なエセ科学だと判断した方がいるのは、全てわたしの責任。わたしの説明がつたないせいで、彼(女)らの思考停止を招いており、とても残念だ(わたしが、ね)。 著者(ソーンヒル&パーマー)は「レイプに対し、適応から理由づけができる」と述べているが、だからといって、「レイプは"自然"である(即ち、肯定せざるをえない)」とは言わない。両者は別個の結論であるにもかかわらず、二つを直結してしまう人がいる。つまり、「もしレイプが"自然"淘汰によって選びとられたのなら、それは"自然"なものであり、したがって良いものであるか、少なくとも存在を許されるものになってしまう」(p.227)と思い込んでしまうのだ。 わたし自身、そうした「思い込み」の中にいたからこそ、本書の主張を理解することにかなり抵抗があった。