甘味料で一度に40軒分の熱を運ぶ、大阪発の新しい都市エネルギー利用法:スマートグリッド(1/2 ページ) 焼却炉は発電所としての機能をもつ都市内の重要なエネルギー拠点だ。焼却炉の欠点は、発電機を動かした後に残る200℃以下の熱をほとんど無駄に捨ててしまうことだ。川崎重工業と大阪ガスが大阪の地方自治体とともに始める取り組みは興味深い。ゴミ焼却場で得た低温の熱を甘味料を用いて需要家まで輸送する実証実験を開始する。 太陽光発電や風力発電以外にも、利用できる新エネルギーがある。燃焼熱だ。 国内で消費するエネルギーのうち、熱エネルギーの占める割合は高い。経済産業省資源エネルギー庁がまとめた「エネルギー白書2010」によれば、オフィスビルのエネルギー消費のうち、熱源が約31%を占める。空調や給湯など熱の形でエネルギーを利用する場合、国内の多くの都市では、ガスや電力を使って水や空気を加熱している。家庭で