科学の言葉だけでは、不安な心に届かない日本では年間1万人が子宮頸がんとなり、約3000人が命を失っています。 その原因となるHPV(ヒトパピローマウイルス)の感染を防ぐHPVワクチン。日本で打つ人がほとんどいなくなってしまったのは、打った後に痛みやけいれんなど様々な症状を訴える声が相次ぎ、すっかり怖いワクチンだというイメージが広がったからでしょう。 どんなワクチンでも稀に重い副作用が起きます。しかし、HPVワクチンで話題となっている多彩な症状については、打った人と打っていない人で内容や頻度に違いが見られず、薬害とは言えなさそうだということが国内外の研究で示されています。 それでも実際、打った後に苦しんでいる人はいます。打った本人だけでなく、家族もまた辛い思いをしています。科学は統計や確率で薬の安全性について議論しますが、個人にとっては「今、この私の身に起きていること」が全てでしょう。 医療