<病院に駆け込んだ男性の血は、色が乳白色に変わっていた。血液中に脂肪が増え過ぎたためだ> 2月25日付けの学会誌「内科学会紀要」によると、患者は39歳のドイツ人男性。ドイツのケルン大学病院の救急外来を訪れたこの患者は、吐き気や嘔吐、頭痛、倦怠感などを訴えたほか、意識レベルが徐々に低下していった。この2日前にも、体重の減少、嘔吐、頭痛などの症状で診察を受けていた。 患者は以前、糖尿病と診断されており、胆石の病歴もあった。断続的ながら、さまざまな種類の処方薬を服用していたのも特徴だ。オンライン科学誌ライブサイエンスによると、患者は病院で意識を失い、呼吸管を挿入する必要があったという。 血液検査の結果、この患者はトリグリセリドと呼ばれる中性脂肪の血中値が異常に高いことが判明した。正常値の上限が150mg/dLなのに対し、この患者の中性脂肪値は1万4000mg/dLだった。トリグリセリド値があまり