東京都東村山市で今年5月、住人の一家4人が死亡した民家火災で、焼け跡から死後1年以上が経過した三男(30)の遺体が見つかった事件。警視庁は亡くなった4人のうち、誰かが放火して家族を殺害し、無理心中を図ったとみている。一家に何があったのか。困窮の末の選択とみられるが、「ほかに選択肢はなかったのか」。知人らは苦渋の表情を浮かべる。 火が放たれた際、一家4人は、2階のひと部屋に集まり寄り添うように横たわっていた。捜査関係者によると、まるでこれから訪れる「死」を全員が受け入れていたかのようだったという。なぜ、無理心中を図ったのか。 死亡したのは男性(65)と妻(64)、次男(36)、四男(26)。出火当時、長男は実家を出ていて4人暮らしだった。知人らによると、次男と四男は、いわゆる引きこもりで、新聞配達員をしていた男性とパートの妻の2人で家計を支えていた。 しかし、男性は2年ほど前に体調を崩して配