「日本人はリスクをとらない民族」という常識は、歴史に学べば大間違い。これからは「ウミヒコ」の時代はやってくる。 「日本人ってリスクを取らない民族ですよね」という言葉はよく聞きます。日本人は農耕民族で、狩猟民族のアングロサクソンなど西洋の人たちと違い、長期視点でリスクを取らない。日本に投資の文化が根付かないのは、日本人の民族性に照らしたものだ、と。 私はそのような話をする人にこのように聞くことがあります。 「遣唐使って覚えてるでしょ? 平安時代に船に乗って中国の長安に行った外交の使節ね。あの当時、日本から中国に着く確率ってどのくらいだったかご存知ですか?」 だいたい不意をつかれたような顔をして、こちらを見ます。「えーっと、7~8割くらい?」 「違います。だいたい半分くらいですよ。半分くらいは沈没したり難破したり漂流したりする。だから、行って帰ってくるとなるとだいたい4分の1強くらいなんですよ