障害者にとって2016年は喜びと悲しみに揺れた1年だった。4月に障害者差別解消法が施行され、6月に改正障害者総合支援法も公布。障害者の生活を支える法整備に喜んだ。だが、直後の7月26日、神奈川県相模原市での相模原障害者殺傷事件が発生。19人の障害者が殺害され、27人が重軽傷を負うという戦後最大の被害者数を出す殺傷事件となった。長く日本の障害者運動を牽引してきた日本障害者協議会の藤井克徳代表にこの1年を振り返ってもらうと、藤井氏は相模原事件の背景の障害者政策を巡る問題──弱者を社会的に排除する「優生思想」という考え方や隔離的な実情に言及した。(ジャーナリスト・森健/Yahoo!ニュース編集部)