彼の「Debut(デビュー)」というアルバムは一気にファンの心を捉えヒットに火がついた。辻井氏のアルバムは、9月20日までの約3カ月に約21万枚も売れた。また辻井氏のアルバムは、ふだんはポップスが上位を占めるオリコンの総合ランキングの2位と3位にも入った。 辻井氏のCDを販売するエイベックス・クラシックスの中島浩之プロデューサーも「ここまでの人気は、クラシック業界では異例中の異例だ」と見る。 成長が続くクラシック市場 クラシック音楽は一見ビジネスから縁遠いイメージがある。“高尚”“教養主義”というイメージが若い世代を遠ざけているともいわれる。だが実態を見ると意外に底堅いビジネスである。今回はクラシック音楽のビジネスモデルを探求する。 クラシック音楽の市場規模は約300億円超である。音楽市場全体(約1500億円)の約2割を占める。他のジャンルの文化市場、例えばジャズ(約30億円)、歌舞伎(約