7月23日に起きた中国の高速鉄道事故で、内外からの注目を集めたのは中国メディアの熱の入った報道ぶりである。 事故発生直後から、全国から100社以上の新聞、テレビ、ネットメディアが現場に記者を派遣し、激しい取材合戦を繰り広げたことが本紙でも報じられている。国民の関心の高さを背景に、中国メディアは今まで見たことのない積極的な報道姿勢を取った。 こうした動きに対して、共産党中央宣伝部は事故発生2日後の同25日、事故について「プラス面のニュースを中心に報道するように」とメディア向けの通達を出したが、大半のメディアはそれを完全に無視した。 それからの数日間、新聞各紙は事故の悲惨さや当局対応のずさんさについて詳しいリポートを1面に掲載して、「プラスの面」よりも「マイナスの面」ばかりを報じた。たとえば北京の『新京報』、上海の『東方早報』、杭州の『銭江晩報』などは10ページ前後の特別紙面を組んだ。人民日報