『マトリックス』3部作(『マトリックス』、『マトリックス リローデッド』、『マトリックス レボリューションズ』)は、メタバースの実装例を、メタバースという概念がメジャーになる前に描き出した作品群です。この仮想世界(むしろ、ニューラルインタラクティブのシミュレーションと呼ぶべきか)を作ったのは、過去に人類を打ち負かして奴隷状態に置いた、人工知能すなわちAIでした。その過程でバグがなかったかというと、そうではありませんでした。今回のテーマはそのバグ、つまりマトリックスの脆弱性です。 人間の登場人物が持つ情報は限られ、AIからは誤った情報が繰り返し提供される中、視聴者は、何が真実なのか、自分の見方がどれほど現実的なのか、どの瞬間においても正確に知ることができません。 しかし、私たちが注目するのは哲学的な真意ではなく、情報セキュリティです。ここでは、第3作の結末で事実と確定したことを基に、マトリッ
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