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中島岳志『パール判事』 まったく偶然であるが、新聞などの予告をみると、本日(07年8月14日)放映されるNHKスペシャル「パール判事は何を問いかけたのか〜東京裁判 知られざる攻防〜」(午後10時・総合)は、中島の本書『パール判事』の主張をほぼ番組化したものになりそうである(付記:今見た。すばらしい内容。この中島本の中身の反映もさることながら、東京裁判が結論の決まった単なる茶番劇ではなく、判事同士の激しい確執のある、きわめて動的なプロセスであったことが浮き彫りになった番組だった。そして東京裁判の「成果」が平和憲法や国際司法の発展に寄与していることもわかるものになっている)。 ぼくは今、東京裁判について書かれたものをいくつか読んでいるが、東京裁判そのものが膨大な資料があるために、とても「そのもの」を読むところまでいかない。たとえば冨士信夫『私の見た東京裁判』(講談社学術文庫)にしても、裁判の全
レオン・V・シーガル 「拉致敗戦――日本は北朝鮮問題で致命的な孤立に追い込まれている」 興味深いインタビューだった。 「中央公論」07年8月号に掲載されたインタビューで、シーガルは元NYタイムズの論説委員、現在独立系のシンクタンクSSRCの「北東アジア安全保障プロジェクト部長」である。インタビュアーは外交ジャーナリストの松尾文夫。「米国と北朝鮮の間の『呼吸の一致』が目立ちはじめ、拉致問題の進展を前面に押し出してきた安倍外交の孤立化の懸念が際立ってきた」「米国が日本を非難する可能性すら出てきた」というリードでインタビューが始まる。 日本政府の北朝鮮外交方針は硬直化している まずそもそもについて少し。 もともと六ヵ国協議は北朝鮮の核をどうするかということで集まった会議である。それを解決するために各国が知恵を出し合い、さまざまな行動をしかけている。そして北朝鮮が動くことを約束させて「じゃあ見返り
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