アルツハイマー型認知症の治療薬「塩酸ドネペジル」に、心臓病の予防効果があることが、高知大医学部の佐藤隆幸教授(循環制御学)と米バンダービルト大の共同研究によって明らかになった。 11月に米医学誌に掲載された論文で報告されており、心臓病の予防や治療への新たな一歩として期待がかかる。 研究では米国の認知症患者のうち、塩酸ドネペジルを服用した患者としていない患者を計80人比較。服用したほうが心臓病発症の危険性が半減することがわかった。佐藤教授によると、塩酸ドネペジルは心臓の働きを抑える可能性があるため、国内ではこれまで、アルツハイマー型認知症患者のうち、心臓病患者への使用は控えられてきたという。 佐藤教授の研究グループは昨年9月、これまで神経間で情報を伝える物質として知られていた「アセチルコリン」が、心臓の筋肉の細胞にも存在していることを世界で初めて発見。動物を用いた研究で、塩酸ドネペジルは機能