物置とか押し入れは、たいていの家にあるが、モノを収蔵し保管するにはいささか不便な場所である。まず、出し入れする面が一つしかない。だから、最初にしまったモノは奥に入ってしまい、最近入れたモノが手前に並ぶ。つまりFirst-in last-outである。すると、どうしても古いモノは使われないままになりがちだ。倉庫は、使用側で取り出す口と、供給側で入れる収納口を別にする、というのが工場の物流設計の基本であるが、物置というのはその原則からほど遠い。 物置・押し入れのもう一つの問題点は、モノを積みかさねて置かざるをえないことだ。押し入れは元々、日本家屋で昼の間、ふとんをしまっておく仮置きの場所だから、せいぜい天地二段のがらんどうの空間があるきりである。これをモノの収蔵に使おうとすると、どうしても積みかさねることになる。すると、下にあるモノを直接取り出せないし、何があるかも見えにくくなる。ストレージの