多チャンネル化やインターネット環境の充実などで名作映画を楽しめる機会は増えているが、長らく上映されずソフトにもなっていない作品も多数ある。世界の映画人に影響を与えた仏監督、ロベール・ブレッソン(1901~99年)の「白夜」もそんな一本だ。 1971年の製作で日本でも78年に公開されたが、以降は権利の問題から仏本国でも見る機会にあまり恵まれなかったという。そんな幻の作品が、27日~11月16日、東京都渋谷区のユーロスペースで上映される。 今回は、一人のファンの思いが実を結んだ形だ。配給した「エタンチェ」代表の池田雄二さん(43)は、今年8月まで字幕製作会社に勤務。映画配給とは無縁の会社員だったが、15年前に留学先のパリで見た「白夜」が忘れられず、複数の権利者を探し当て契約にこぎつけた。2年前にも仏監督、ジャック・ロジエ(85)の作品の上映を個人で実現しており、「今後も普段見られない名作の配給