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2013年3月27日のブックマーク (2件)

  • 北小路ゲバ子の恋

    ある仕事の席上、その年のキネマ旬報ベストテンで一位になった「櫻の園」(平成二年)のプロデューサー氏と言葉を交わすことがあり、わたしが、「あの映画は、出来の良し悪しはともかく、山谷の労働者は見ないよな」と言うと、かれは、「ああ、山谷の労働者に見てもらわなくても結構なんですよ。どうして見てもらわなくちゃいけないんです? 彼らに向けて作っていませんから」と宣った。わたしは吃驚した。 映画は、どんな貧乏なひとでも(どんなに大金持ちでも)、これは面白そうだと見に来てもらえて、彼らを感激させ拍手させて帰ってもらう、というのが理想であり、映画会社の人間というのは、そういうものを目指して大衆映画を作ってきたはずであった。 笠原和夫「映画はやくざなり」105頁 「プログラムピクチャーは、いわば『貧者のハワイ旅行』なのだ、質は。」 (「悪趣味邦画劇場」編集後記 執筆者は田野辺尚人と想われる) いいことばだよ

    北小路ゲバ子の恋
  • 終わっていながら終われずにいるニンゲンにとっての「キッズリターン」 - 北小路ゲバ子の恋

    ビートたけし(北野武)から「やめちゃダメだ…ねえちゃん達はティナ・ターナーのように50代になってもミニスカートにハイヒールで歌わなくちゃ」と言われ活動を再開  (wikipedia「キャプテン (アイドルグループ) 」の項より) 建てかえ前の文芸坐地下で北野武「キッズリターン」を見たのは昭和71年12月のこと、帰りにストリップ小屋近くの福しんで飯を喰ったことを覚えている。その前の週末、ひいきにする騎手・熊沢重文の手からわずか1cm差で栄光がこぼれ落ちた。まあそのうち、と想った。しかしその後も掴みかけた栄光を落とし続けた。そんなことを繰り返すうちに、私は熊沢騎手からも競馬からも興味を失っていった。 「俺たち終わっちゃったのかなぁ」 「ばかやろう、まだはじまっちゃいねぇよ」 この映画の有名な会話である。 …当時の私はまだ20代であった。そんなこともあって、いいセリフだなと、ひとなみに想った。田

    終わっていながら終われずにいるニンゲンにとっての「キッズリターン」 - 北小路ゲバ子の恋