Home » book 1.9.13 ティファニーの夏 by 連絡先 今から68年前の夏。 アイオワ大学の女子大生で親友同士のマージョリーとマーティは、ニューヨークの摩天楼を見上げて、目を見開いていた。 同じソロリティの仲間がニューヨークのデパートで夏のアルバイトを得たという情報を聞いて、汽車賃を貯め、アパートをひと夏借りて「上京」したのである。 ところが、目当てのデパートで職は見つからない。次々と店を当たっているうちに二人は五番街をどんどんのぼっていって、遂には最高級店が並ぶ通りに辿り着いた。 親友のマーティが勢い込んで入っていったのは、何とティファニー。当然アルバイトなんか募集しているはずもないし、そもそも女子店員を雇っていない。 でも二人は、彼女たちの後見人的な存在でマーティの父の知り合いが言っていたことを社長室で口に出す。 「私たちにはツテがあります。私たちの世話人であるカール・