北尾修一(きたお・しゅういち) 1968年京都府生まれ。編集者。株式会社百万年書房 代表。本連載のスピンオフ 『何処に行っても犬に吠えられる〈ゼロ〉』発売中。
![いじめ紀行を再読して考えたこと 02-90年代には許されていた?](https://cdn-ak-scissors.b.st-hatena.com/image/square/efd6bfb80fd4ec055a108cac1b6124cc280c419f/height=288;version=1;width=512/https%3A%2F%2Flive.millionyearsbookstore.com%2Fwp-content%2Fuploads%2F2021%2F07%2FIMG-0264.jpg)
北尾修一(きたお・しゅういち) 1968年京都府生まれ。編集者。株式会社百万年書房 代表。本連載のスピンオフ 『何処に行っても犬に吠えられる〈ゼロ〉』発売中。
五輪にかかわる音楽家の過去の障がい児に対するいじめについて、書こうと思った。今年27歳になるIQ18の次郎が、被害者だったかもしれない。訴えることが出来ず、無抵抗の無垢の障がい児になんてことを、、、という思いはつのる。けれど、その悲惨さは、その比較対象を持った時に、浮かびあがってくるものだろうから、私はその正反対の話をしよう。そう、私がいかに障がい児の次郎を愛して育ててきたのかを。 次郎は三番目の子どもだったから、定型発達よりもすべてが遅れていることはわかっていた。でも遅れていたからこそ、すべてが100倍嬉しかった。昔からの言葉に『バカな子ほど可愛い』とあるが、それは本当だ。可愛くて可愛くてしかたなかった。 2歳でハイハイし始めると、姉と兄の後を付いて回った。二人のことが大好きで大好きでいつも追いかけていた。姉と兄とのエピソードは、「神様にもらった弟」にも書いたので、時間のある時にでも読ん
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