小川哲さんの『地図と拳』が発売されました。『ゲームの王国』で日本SF大賞と山本周五郎賞を受賞し、『嘘と正典』で直木賞の候補になった、いま最も注目される作家の3年ぶりの新作です。 作品の舞台は満洲(現・中国東北部)。日露戦争前夜から第二次世界大戦まで、満洲の名もなき都市で繰り広げられる知略と殺戮。そして、理想の都市を作ろうとした、日本・中国・ロシアの人間たちのロマンと挫折が描かれた大作です。 構想を始めた2017年から、膨大な資料を読み込み、中国東北地方への取材旅行も経て、5年の歳月をかけて完成させた本作の裏側を、小川さんに聞きました。 〔取材・構成〕長瀬 海 ※この記事は『地図と拳』の物語展開の重要な部分に多く触れています。ネタバレが気になる方はご注意ください。 満洲を作ることと、小説を書くこと ――小川さんの新作『地図と拳』は満洲を舞台に20世紀の戦争のダイナミズムを象(かたど)る超大作
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