図の元になったデータは1927年~1960年代の家庭料理書であるので、現代のように食文化についてグローバル化が進む以前の状況を示していると思われる(インドは1978年であるがなお伝統的な料理を示すものと考えられる)。例えば現代の日本では油脂利用が急速に拡大し(図録0316参照)、本格カレー料理も普及しており、スパイスの使用頻度も高くなっていると思われる。 図を見ると以下のような特徴がうかがえる。 塩はどの国でも利用頻度が高く、人類共通の基礎調味料となっている。塩味は、塩が取りすぎた魚や獣の保存料として原始時代から重要であった関係から最古の調味料と位置づけられる。 日本や中国では醤油、味噌などの塩味の発酵調味料が基幹的な調味料として使われているので、塩単独の利用頻度は相対的に低い。中国の甜麺醤は北京ダックに添えられることで知られる小麦粉(麺)を原料とした甘味のある味噌、豆瓣醤(豆板醤)は、そ