民放の経営が厳しさを増している。若者とスポンサー企業のテレビ離れに大震災が拍車をかけ、広告市場は縮小必至だ。在京キー5局のうち4局が11年度も黒字の見通しだが、甘くないか。 「HUTが下がり続けているんです」 大手テレビ局の営業担当者は顔を曇らせる。HUTとはHouseholds Using Televisionの略。「総世帯視聴率」と訳され、日本の全世帯のうち、テレビ放送をリアルタイムで視聴している世帯の割合を示す。テレビ業界が「ゴールデンタイム」と称する最重要時間帯(午後7~10時)でみると、HUTは1998年度までは70%を超えていたが、インターネットの普及とともに低下の一途を辿り、2010年度は63・9%にまで落ち込んだ。テレビ離れが急速に進んでいるのだ。とりわけ若年層に著しい。NHKが今年2月発表した「国民生活時間調査2010」によれば、テレビを日曜日に15分以上見る人の割合は、