ヤギを放牧することでサルの食害から農作物を守り、遊休農地の解消にもつなげようとする試験的な取り組みが、9月中にも山梨県南アルプス市内で始まる。 長年農家が頭を悩ませてきた課題にヤギの習性が効力を発揮するか、注目が集まる。 計画を進めているのは、同市や市内のNPO、農業生産法人など。県の「新しい公共の場づくりのためのモデル事業」に採択され、212万円の補助を受けた。同事業は、地域の課題に取り組むため、NPOなどの民間組織が市町村、企業と協力して行う活動が対象になっている。 事業主体のNPO「南アルプスファームフィールドトリップ」(南アルプス市)の小野隆理事長(45)によると、市内のスモモ農家などでは、6~7月の収穫期になると毎年、農作物がサルに食い荒らされ、深刻な被害が出ている。農家も電気柵を設けたり、犬を飼ったりしてきたが、効果は今ひとつ。犬の餌代などで費用がかさむといったデメリットもあっ