国産需要の高さなどを背景に、アーモンドの産地化に向けた取り組みが広がっている。鹿児島県湧水町では、日本一のアーモンド産地を目指し、2022年に生産組合が立ち上がった。ビタミンEなど栄養価が高い上に、耕作放棄地の活用や農家所得の向上、新たな地域おこしなどに期待がかかる。国内に登録農薬がないことを逆手に取り、有機栽培に挑戦。栽培面積は約5ヘクタールに広がった。(三宅映未、小林千哲) 国内ではまだ産地が少ないアーモンド。町での栽培の始まりは13年。桜に似た美しい花を観光に活用しようとした。だが栽培ノウハウがなく、苗木はうまく育たなかった。18年、新たな特産品として花に加えて実を活用できないかと、農家を軸とした本格的な栽培に着手した。 苗木は福岡県のJAにじから購入し、町が独自に補助する仕組みを創設。22年は町内各地で22人が栽培した。 農家は有機栽培のノウハウを学ぶため近縁種の桃を参考に月1回、