操業開始から半世紀余り、県都の経済の一翼を担ってきた工場が姿を消す。「建て直しへの投資も視野に利活用策を検討したが、実現できなかった」。パナソニックコネクト福島工場(福島市太平寺)の来年5月での閉鎖が発表された18日、幹部は苦渋の表情を浮かべ、従業員から「突然の発表に驚いた」「今後どうすればいいのか」などの戸惑いが漏れた。地元に長く親しまれ、約450人が働く工場の雇用や跡地利用が定まらない中での表明に、行政や経済界にも影響への懸念が広がっている。 「工場維持のめどが立たなくなってしまった。これまで支えてくれた方、地元福島の方に申し訳ない」。パナソニックコネクトの新家伸浩執行役員らは18日夕方に福島工場で記者会見し、閉鎖理由を語った。 工場は経年劣化に伴うインフラの著しい老朽化に直面していたと説明。パナソニックホールディングス(HD)内で継続の道を探ったものの、建屋の安全性と従業員の安全を確