一方の自民・公明を中心とする反維新陣営は、候補者選定のスタートから出遅れ、選挙戦が始まっても、不協和音ばかりが聞こえてきた。 首長選の告示後に発行できる確認団体ビラを出しそびれた。SNSやブログも更新されない。府議・市議が自分の選挙で余裕がなく、個人演説会に知事・市長候補を呼べない。選対本部や応援に来るはずの人間が来ない。翌日の街頭演説予定を問い合わせてもわからない。自公以外の応援弁士を選挙カーに乗せ、陣営内でもめた……。 「司令塔不在で、組織の体をなしてないんですよ」 有力な支援者の一人は、あきれたように言う。「自民党はもともと、オーナー企業の集合体のようなもの。そこに公明をはじめ、他党や労組も入ってきて、全体を統括する人間が不可欠なのに、誰もその役割を果たさないからバラバラ。前回選挙の反省がまったく生かされていない。それに比べ、維新はトップダウンだから意思決定や指示が早い。現職の強みで