ピロリンッ 端末の電子音に汽水あさりは浅い眠りから目覚めた。画面の通知を確認する。 「しじみかぁ……」 VTuberグループShell'sの後輩、中洲しじみからの着信だった。 「ふぅ、個通ASMRでもしてくれるのかしら……?」 軽口を叩きながら通話に出る。グループ所属前からの付き合いということもあり、放っておけないのだ。 「あさりちゃーん!どうしよ~っ!」 クリアな涙声が耳に飛び込んできた。 「ったく……あさり先輩でしょ?どうしたの?」 「あのね……メンシ入っていない人がコメントしてくれなくなっちゃったよ~!」 (なんで?) そもそもメンバーシップを始めるのが早かったのではないかという疑問もよぎったが、あさりはひとまず後輩をなだめることを優先した。妹分は箱への所属で早く収益化できたからと勢いに乗りすぎたところがあった。 「とりあえず落ち着いて。順を追って説明しなさい」 「うん……」 鼻をす
