前回のコラムでオバマケアをめぐる政治的争いが下火になりつつあるということを書いたが、医療政策分野でオバマケアに代わって最近注目されているのが、オピオイド問題である。オピオイド問題とは、麻薬系鎮痛剤の過剰摂取問題である。 アメリカ疾病予防管理センター(Centers for Disease Control and Prevention)によると、オピオイドの過剰摂取による死亡者は、2004年に9,091人だったのが、10年後の2014年にはその3倍以上の28,647人になった、さらにその数は、2015年には33,091人、2016年には42,000人以上と増加してきている。 2017年10月に保健福祉省(HHS)は、オピオイド問題について「Nationwide Public Health Emergency」と位置付けることを宣言した。これによって自動的に予算措置が行われるということではなか
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