PHP新書 2008年9月 本章は、経済学固有の領域について議論をしている部分が多いので、近代経済学をまったく勉強していないわたくしには、よく理解できない部分が多く、また内容を誤解したところも多いと思う。 池田氏の本の記述だけではわからない部分が多かったので、ここに紹介されていたハイエクの論文、「経済学と知識」と「社会における知識の利用」も読んでみた。とても理解できたとは思えないが、クルーグマンのいうギリシャ文字式の論文ではなかったので(数式もグラフも、ただの一つもでてこない)、何とか読み通すことはできた。いずれも短い論文である。 「経済学と知識」で議論されるのは、新古典派的な「均衡」の問題である。これは価格と需要供給の関係を論じる理論であるらしい。この問題を数学的にとくためには、生産者も消費者も関係するすべてのことについての完全な情報を持っていることが必要とされるらしい。しかし、実際にわ