書誌情報:バジリコ,721+8頁,本体価格5,500円,2007年9月4日 幻想の過去―20世紀の全体主義 作者:フランソワ フュレ発売日: 2007/08/01メディア: 単行本 - 2段組でこのページである。重さはちょうど1kgあった。20世紀をソ連邦の成立とその崩壊の時代として描き,幻想の歴史だったことを執拗に追求した。ヨーロッパの辺境で生じたロシア革命(本書では「エキセントリックな出来事」と表現)は,それゆえフランス革命との連続を主張することによって,過去の特殊な限定から解放され普遍的な出来事になった。1930年代以降のファシズムは民主主義が産み出した「末子」である。コミュニズムとファシズムとは全体主義として括られ,コミュニズムの「収容所群島」はファシズムに先行し,体制消滅の20世紀末まで維持された点でファシズムより罪が重いことになる。 コミュニズムの独裁的性格はスターリン以後強ま