『コングレス 未来学会議』は、原作の『泰平ヨンの未来学会議』を驚くほど忠実に映画化している。主人公は独り者の宇宙飛行士、泰平氏から、女優ロビン・ライト(本人役!)に変えられているし、ほぼ全編アニメーションになっているけれど、レムの描いた世界のニュアンス、そしてテーマをきっちり拾ってる。その結末は原作とはある意味正反対だけれど、その軸となっている部分がブレてないから、物語はとりとめもない展開なのに、すごく腑に落ちるのだ。その軸ってのは、たぶんすごく根源的な、「自由意志とはなにか」みたいなものだと思う。 自分がじぶんでいられない世界 原作は、いま読み返すと『マトリックス』や『インセプション』の原点(のひとつ)みたいな物語だ。コンピューターやバーチャルリアリティーが普及する前の小説だから、向精神薬の複雑な効果によって、現実を上書きする虚構世界を表現している。ドラッグを吸ってしまった泰平氏は、意志
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