ブックマーク / farsite.hatenablog.com (179)

  • ゴジラ-1.0は、”戦争”に向き合った映画だったのか - サイモン・ペグ氏の批評を契機として - farsite / 圏外日誌

    ター・トレックのスコッティ役でおなじみ(注:諸説あり)のサイモン・ペグ氏は熱心なゴジラファンで、『ゴジラ-1.0』を激賞していたのは知っていたが、最近、そのために米国製ゴジラを下げるような発言があったようで、ちょっと向こうのゴジラ界隈が荒れたようだ。発言の真意を語る彼の動画も流れてきたが、それは納得のできるものだった。 ペグ氏は、日映画であるゴジラと第二次世界大戦・原爆との関係性を理解している。ゴジラが東京を襲う理由を、戦災に対する self-flagellation (自己処罰感情・自責の念)の昇華であると見抜いている。故に、第二次大戦と戦争直後の東京を舞台とし、悲惨な境遇に生きる人々の感情を描いて見せたゴジラ-1.0は、ただ海外で暴れまわるゴジラとは異なるテーマ性を持っているのだ、と。 でも、シンプルにその通りだ、よくわかってくれた、と賛同しかねる自分もいる。 それなりに日に生きて

    ゴジラ-1.0は、”戦争”に向き合った映画だったのか - サイモン・ペグ氏の批評を契機として - farsite / 圏外日誌
    debabocho
    debabocho 2024/06/13
    書きました。個人的に好きとは言えないが語りたくなる映画、ゴジラ-1.0。あれは戦争・戦後を題材にしていながら、実は「戦争と向き合う」というテーマから解放された映画だったと思うのです。
  • なぜ彼らはこうも明るいのか - スター・トレック:ストレンジ・ニュー・ワールド 1-1話 - farsite / 圏外日誌

    彼らは明るい。『スター・トレック:ストレンンジ・ニュー・ワールド』のプレミアエピソードを観ての第一印象だ。新生エンタープライズの乗組員たち――設定的には、初代『宇宙大作戦』のエンタープライズの前任クルー――は、みな明るく、笑顔を絶やさない。もちろんパイク船長やラアンのような暗い過去を追ったキャラもいるが、それでも皆自信に満ち溢れ、まっすぐ前を向いているように見える。 そもそも、1966年に放送が始まった最初のスタートレック、『宇宙大作戦』は、牧歌的な未来像が背景にあった。古典的なスペースオペラ小説の流れを汲み、科学への信頼とともに「カウボーイ的な正義」への信頼が厚かった時代のSFテレビシリーズだ。国家間の争いも貧富の差も人種差別もない、理想的な未来の地球で生まれ育った人々が、宇宙のフロンティアを探検し、自分たちの正義をよりどころに問題を解決していく。 だが、時を経てそのような未来描写は、現

    なぜ彼らはこうも明るいのか - スター・トレック:ストレンジ・ニュー・ワールド 1-1話 - farsite / 圏外日誌
    debabocho
    debabocho 2023/11/24
    WOWOWオンデマンドでスタートレック・ストレンジ・ニュー・ワールド1話(吹き替え版)観ました。観ようによってはかなり軽いノリ、明るい作品なんだけど、実はそこが伏線となる良質のSFでしたよ、という話。
  • 『ゴジラ -1.0』 - 最後の国産大衆映画 その課題 - farsite / 圏外日誌

    観終わって最初に思い浮かんだのは、意外とコンパクトに収まったな、という妙な腹落ち感だった。『ゴジラ -1.0』はそのタイトルが示唆するように、戦後の荒野を背景として人々を更に徹底的に叩きのめす、深く昏い怪獣映画になるのではなかろうかと、ほんの少しだけ想像していたのだ。が、この作品は物語として手堅く展開し、ほとんど予定調和に近いエンディングを迎える。「戦後」というものが内包する無尽蔵の物語性を思えば、この怪獣映画がもたらす結末は、ある種控えめさすら感じさせるものだ。 シン・ゴジラの轍を踏まない 前作『シン・ゴジラ』は、庵野秀明の個人的なビジョンが強く反映された映画で、彼と同じ完成を持つ観客に特に響いた作品だった。その特異性と徹底した内容が功を奏し、かつ「震災」という2010年代の日人が共有する文脈のおかげで、より多くの観客に受け入れられるヒット作となったのだけれど、映画としてはオフビートで

    『ゴジラ -1.0』 - 最後の国産大衆映画 その課題 - farsite / 圏外日誌
    debabocho
    debabocho 2023/11/08
    マイゴジ、感想書きました。戦争の扱い方と、ゴジラのキャラクター性の問題についてぐわーと思ったことを。あと音楽とかプロットの整合性とかその他諸々。当然ネタバレありで。
  • アニメ版『PLUTO』 - この映像化のどこに迷ったのか - farsite / 圏外日誌

    『PLUTO』の放送がネットフリックスで始まるというニュースを見て、おっと思ったのが、1話約1時間、全8話という構成だった。ケーブル/配信系の海外ドラマでおなじみのミニシリーズ(リミテッドシリーズ)フォーマットじゃん。 思い返してみると、浦沢直樹作の原作漫画はミステリー&サスペンスフルな物語だし、リアリズム路線だ。時代が回って海外ドラマのトレンドに合っている。高品位なアニメ作品として、フォーマットも海外ドラマ型に落とし込むのはうまいやり方だ。そんな風に上から目線で考えて観始めたのだった。 しかし、エピソードを観進めるにつれ、これは何か違うぞ、という感覚が立ってくる。いや面白いか否かで言えばムチャクチャ面白いのだ。だけど、海外ドラマに使うのと同じ脳みそで作を観てしまうと、この構成は映像作品として、構成に迷いがあるように思えてしまう。なぜだ。 これは、私が映像作品に、何を観て、求めているのか

    アニメ版『PLUTO』 - この映像化のどこに迷ったのか - farsite / 圏外日誌
    debabocho
    debabocho 2023/11/05
    ネトフリのPLUTO、凄く面白かったんだけどその構成に違和感を覚えたところもあって、なぜだと自問自答した話を書きました……がウダウダ何を言いたいのかわからん記事になった。えいくそ。(一部改稿)
  • 怪獣プロレスに初めて理屈がついた! - ウルトラマンブレイザー - farsite / 圏外日誌

    固定資産税の時期が過ぎると、怪獣税のシーズンだ。ことしもウルトラマンの新シリーズが始まる。いちど怪獣特撮を好きになってしまった以上、どんなにチープだろうと、どんなに過去作品の再利用が甚だしかろうと、観て買ってカネを落とさねばならんのだ。 しかし今年、2023年の『ウルトラマン・ブレーザー』第1話はなかなか見所があった。円谷の財務状況が改善したのか、それとも大スポンサー様を説得し予算がつけられたのか、さいきんの青春群像劇路線から大きく転換した、リアリティ強めの戦闘アクションに仕上げてきた。主人公はおっさんだし、ウルトラマンもべらべら喋らない。ウルトラマンネクサスや、往年のゴジラ対ビオランテを思わせる路線変更だ。 ポスト・シン・ウルトラマンという見方もできるかもしれない。あの路線の成功を梃に、ライダー・戦隊との差別化を行い、格的に売り上げを上げていこうという制作陣やスポンサーの意思があるのだ

    怪獣プロレスに初めて理屈がついた! - ウルトラマンブレイザー - farsite / 圏外日誌
    debabocho
    debabocho 2023/07/09
    ちょっと感動したので勢いで書きました。人間パートでなくウルトラマンの設定がすごい。
  • テーマを台詞で語る映画は良い映画! - ダンジョンズ&ドラゴンズ:アウトローたちの誇り - farsite / 圏外日誌

    *ストーリーのネタバレではないんですが、この映画の一番肝心なところのある意味ネタバレです。 劇場に向かう時間もなかなか取れず、心が弱ってくると、観る作品も文芸作品ではなくブロックバスターのエンタメに偏ってしまう。派手な絵と音は劇場でしか体験できないからというのもあるけれど、やはり観て満足したいという安心欲求があるからだ。奇を衒わない、教科書通りの三幕構成で、きっちりオチのある楽しい作品が欲しい! 我ながらいやな映画の選び方だと思う。 そんな気持ちになってしまった自分に、しかし『ダンジョンズ&ドラゴンズ』は見事に応えてくれた。なにしろ幕構成がカッチリ嵌ってるだけじゃない。第二幕の終わりで、主人公クリス・パインが映画のテーマを、長尺とって台詞でとうとうと語ってくれるんだから! この「テーマをセリフで言わせる映画」が、個人的に大好物なんですよ。セリフでタイトル回収する映画なんてメじゃない。 三幕

    テーマを台詞で語る映画は良い映画! - ダンジョンズ&ドラゴンズ:アウトローたちの誇り - farsite / 圏外日誌
    debabocho
    debabocho 2023/04/09
    ゲームをプレイしていない人間にもきちんと伝わる、エンタメ映画の正しい文法に則った映画でしたよという話。
  • 防災リュックサックを、100円ショップ中心のアイテムで作る - farsite / 圏外日誌

    980円のリュックサックとダイソーで売ってるグッズで、防災バッグを作った。結論を言えば、ネットで売ってる防災セット買ったほうがやっぱり早いかな、という感じだ。ちなみに内容の参考にしたのは山善の防災セット。情報だけ利用してしまったので、別口で何か買っておこうと思う。湯沸かし式の加湿器、欲しかったし。 防災は思い立ったが吉日 リュックサックに入った防災セット、以前からネットで見ては買おかやめよか踊っていたのだが、どうも4千円台という値段がひっかかって踏ん切りがつかないでいた。これもう少し安く上がるのでは……? そんな感じで数年来迷い続けてきたのだが、また3月11日が近づき、NHKの番宣で見ると心が苦しくなる再現ドラマが流れるのを目にする季節がやってきた。そんな折、区内にできたコーナンプロを冷やかしに行ったらリュックサックが980円で売っていたのだ。その場のノリで買ってしまった。 コーナン 98

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    debabocho
    debabocho 2023/03/06
    週末したことを素直に書き連ねたら、なんかよくあるアフィリエイトブログみたいになってしまった。ポイントはダイソーでドカ買いたのしい! ということ。 (文字とか色々校正した)
  • ウディ・アレン風ロマコメとしての『ガンダム:閃光のハサウェイ』 - farsite / 圏外日誌

    *注:テレビ用に再編集されたものでなく、映画の感想です。 90年代に書かれた富野由悠季の小説が、2020年代になって新作映画として、それも人以外の監督作品として作られた。商売のためならなんでもやるなーと思っていたのだが、まあ大好きなので観に行ったら驚いた。『閃光のハサウェイ』って、こんな話だっけ? なんか、ウディ・アレンの初期ロマコメみたいなんですけど。 あらすじ テロリストのハサウェイ、軍人のケネス、そして謎めいた女性ギギ。地球行きの船で偶然知り合った3人は熱帯のホテルを舞台に恋のさや当てを繰り広げ、ハサウェイはテロリストとしての生き方に悩む。 こうやってあらすじ纏めると明確。来会うはずのない男女が偶然船に乗り合わせ、ひょんなことから意気投合して、やたら饒舌に、人生とか世界とか恋愛とかセックスとかを語り合う。主人公は自分の生き方にうじうじ悩んでいたが、女と話してるうちになんだかわから

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    debabocho 2023/01/15
  • 『ペリフェラル』第1話 - 我々はいつまでクロエ・モレッツのアレな姿を見続けるのか - farsite / 圏外日誌

    稿、勢いだけで書いてるのでこれ自体ずいぶん歪んだ解釈の内容となってます お前らクロエ・モレッツを何だと思ってるんだ クロエ・グレース・モレッツは、子役としてのキャリアの初期からどうも映画製作者と映画ファンの微妙に歪んだ嗜好の対象になってきた節がある。 『悪魔の棲む家』の存在感もそうだし、彼女をスターに押し上げた『キック・アス』なんかもろにアレだ、子供にカント! て言わせてキャッキャ言っちゃうアレな感じ。ギリギリ「芸術だから」で許されるラインで、顔のいい女の子に日常の倫理からちょっとだけ逸脱したことをさせるという、フェティシズム的な”良さ”を、製作者は、そして我々ファンは、クロエ・モレッツに求めてきた。 彼女は『HICK ルリ13歳の旅』では残虐な初体験を演じ、『キャリー(リメイク)』では女性監督のもと、初潮と第二次性徴期の女性の生々しいあり様を演じてみせた。どちらもフェティシズム的な視

    『ペリフェラル』第1話 - 我々はいつまでクロエ・モレッツのアレな姿を見続けるのか - farsite / 圏外日誌
    debabocho
    debabocho 2022/10/26
    クロエ・モレッツの出る作品て、キック・アスのころからやたら彼女にヘンなことやらせようとするよね、という話です。ギリギリ政治的に正しくないなーと思いつつ。
  • 続けることってすごい - 劇場版ガンダム Gのレコンギスタ IV - farsite / 圏外日誌

    あのころガンダムが好きだった子供も、歳をとった。富野由悠季監督の作品が好きで、きっちり見届けなければ自分にけじめがつかない。いまはそんな気持ちで、『Gのレコンギスタ』を観続けている。 きょう、5部構成の第4部となる『激闘に叫ぶ愛』を観てつくづく思ったのは、「ひとつことをずっと続けるというのは、とてもすごいことだ」ということだった。 いま80歳になる富野は、半世紀も前から、ロボットアニメを作り続けてきている。10年と間を置かず、何かしら自分の作品を創造し、演出を続けている。手を変え品を変え、所詮アニメ、所詮ロボットと自嘲しながらも、その時々の思想を込めて、その時々でできる技法を盛り込んで。 お陰でどうだ、このGレコの豊饒さは。まるでべてもべても終わらない高級幕の内弁当みたいだ。テレビシリーズの再編集版だから、だいたい今回はここからここまでと頭で理解できているのに、観ているとまだ終わらない

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    debabocho
    debabocho 2022/07/23
    他にいろいろ書くべき作品もあろうに、久々書いたらダラダラと富野由悠季全肯定する内容になってしまった。
  • Apple TV+の『ファウンデーション』は結構凄いことやってるのよという話。 - farsite / 圏外日誌

    アップル嫌いの自分が我を殺してでもApple TV+に契約せざるを得なかったのはマイケル・ムーアのドラマ『フォー・オール・マンカインド』のおかげだけれど、それを上回るネームバリューで始まったのが、21年秋の『ファウンデーション』だった。言わずと知れたアイザック・アシモフのSF小説の映像化だ。 小説が最初に書かれたのは70年以上前。20世紀後半のSF作品における”量子力学"のような感じで、"原子力"が万能のエネルギー源として出てきたり、社会の指導層が男性に偏ってたりしてるわけで、そんな設定のアップデートは当然なされてる。古典的な葉巻型宇宙船が、中心に特異点(最近観測された実際のブラックホールのイメージ)を抱えた「葉巻カッター型」超光速船になっていたのはちょっと笑った。 しかし何よりのアップデートは、原作では年代記のように進んでいく序盤の展開に映像作品としてのドラマ性を加えるために、主役である

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    debabocho 2022/01/09
  • 寿司屋みたいなタコス屋に行った話。 - farsite / 圏外日誌

    今年の3月のはなし。なんかジャンクなものをべたくなって、散歩がてらタコスをべに行くことにした。Google Mapで三軒茶屋周辺を「タコス」で検索すると数件ある。1件は行ったことのあるメキシカンだったので除外して、郵便局の近くにある店に行くことにした。 三茶の外れに、タコス屋がある ここは三茶というより、上馬の商店街なんだろうな。少し寂れた感じがありつつも、コ洒落た若い店も何点か生まれている。一角にブルーに塗られたオープンカフェ風の店がある。そこが『ロス・タコス・アスーレス』 メニューを見ると、タコスの種類が10種類以上。タケノコとかもある、1つ300円台から、高いと1000円程度。この時点では、単品か2個セットで、よくある大きさ、よくある具材にちょっと変わったトッピングを施したものが出るんだろうなと思っていた。 とはいえ1人前のサイズ感も分からないし、お店の人にお勧めを聞くと「初めて

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    debabocho 2021/12/17
    昼から三茶にあるタコス屋に行ったら寿司屋のコースみたいなタコスでうまかったというおはなし。
  • 『テネット』 - 2時間半で英雄譚を完成するには、という話 - farsite / 圏外日誌

    久々に入った映画館で「観劇後の感想がトリビアや謎解きだらけになるのなら、それは物語映画としては失敗じゃないかなあ」なんて不遜なことを考えながら『テネット』を観ていたのだけど、ラスト、ロバート・パティンソンが語るシーンで、隣の席からすすり泣く声が聞こえてきてはっとした。 そうだよ。これは一人の男が出会いと別れを経験して英雄になる、ストレートに泣ける物語じゃん。なに斜に構えてるんだ。 そもそもブロックバスター映画なんだから 時間トリックのおかげで技巧的な話ばかり目立つけれど、ノーランは配給会社と銀行からデカいカネ借りて作ってるわけで、売上を作る義務がある。彼は万人に受けるガッチリとしたハリウッド式な英雄譚に、彼流のプラスアルファを作れるから、常に大予算を任されている。 英雄とは何かを描いた『バットマン』3部作、時間を超える展開で人類と娘を救う英雄を描いた『インターステラー』。『ダンケルク』だっ

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    debabocho 2020/10/17
    観たのも書いたのも少し前だけど、久々に映画の感想など投稿。かなり好意的に。
  • ロケットと公民権 - farsite / 圏外日誌

    土曜日の朝。観る番組もないからとHuluライブでCNNをつけると、全米各地でデモが始まろうとしていた。 ミネアポリスでの警官によるジョージ・フロイド氏の不当な拘束・殺害により、昨日、ミネアポリスでは大きなデモと暴動が起きた。そして2日目の夜が来ようとしている。CNNでは警官と市民との小競り合いが始まったことを伝えている。しかしその場所はニューヨークシティ、ブルックリンだった。アトランタ、ワシントンでもデモ行進が始まり、小競り合いがあるようだ。 映像を見る限り、人種差別に反対するメッセージを掲げてはいるが、参加している人種、年齢は多様だ。白人も黒人も入り混じって、警官と小競り合いをしている。ミネアポリスではすでに夜間外出禁止令が出ており、対抗する市民は道に跪き、ガス弾を持つ警官と対峙している。 デモがどこまで広がるのか、そのうちいくつが暴動になるのかはわからない。ただ、暴動は少なくあってほし

    ロケットと公民権 - farsite / 圏外日誌
    debabocho
    debabocho 2020/05/30
    全米で暴動が燃え上がるなか、新たな有人宇宙船が宇宙へと飛び立つ。まさかこんな状況となろうとはなあ。
  • もしもスター・ウォーズ 最終三部作をゼータガンダム時代の富野由悠季が作ったら? - farsite / 圏外日誌

    新型ウイルスのパンデミック対応で、『スター・ウォーズ/スカイウォーカーの夜明け』のレンタル配信が国内でも早々と始まった。たいへん苦労したのだろうと思しき脚のツボを理解しようと、自分で梗概を書きつつ観ていたのだけれど(趣味なんです、梗概書き)、最後のあの亡霊大集合クライマックスを見て、ふと思った。これって『機動戦士ゼータガンダム』じゃない? スター・ウォーズと同時代に機動戦士ガンダムを作った富野由悠季監督も、その後市場の要請でずいぶん葛藤を抱えつつもゼータガンダムという続編を作り、かつそれを3部作の映画にまとめてみせた。 ならば、意外と富野監督の作劇でも、スター・ウォーズ エピソード7~9は作れたのかもしれないなあ……と道理の通らんことを思って書いた、梗概というには少々長い、両シノプシスを融合させたパロディ。 『スター・ウォーズ Ep.7 ~フォースを継ぐもの』 帝国滅亡から30年。銀河は

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    debabocho
    debabocho 2020/04/14
    久々にこういうの書いた。クソ長くなった。
  • ヨガ雑感 - farsite / 圏外日誌

    いま日曜の13時。ヨガをやってきた。コギャルと即身仏のあいの子みたいな先生なんだあれむっちゃハードだな。前回と同じ初歩コースなのにお説教少なめなぶんバッキバキにストレッチされたわ。 しかし前回、つまりこのヨガスクールに入って第1回目のほうは、商売という意味である意味面白かった。その先生はレクチャー中ずーっとベラベラヨガの思想面、つまりいかに心を癒やすのか、という点を語っていたのだ。今回もある程度語ったが、心にもう一人の自分を持って観察せよとか、前後で心の有り様を注目せよとか、ポーズ作るのも無理をするな自分に意地を張るなとかそんなこと。 これを聞いて、ははあ、なるほどヨガは勝ったのだと身にしみてわかった。体を治すのであれば、現代ヨガがニューヨークに生まれる前から当地ではいろんな女性向けストレッチや体操講座があったわけだ(ドラマ『マーベラス・ミス・メイゼル』に出てくる謎の婦人体操とか、面白い)

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    debabocho
    debabocho 2018/10/14
  • 映画『ウィンストン・チャーチル』見せたいものは何だったのかというはなし。 - farsite / 圏外日誌

    2018年度作品賞ノミネートの1作『ウィンストン・チャーチル / ヒトラーから世界を救った男』。観終わってみれば、なんともちぐはぐだったなあ、という思いが残る。あの演説で、すごく感動したかったのに、うまく感動できなかった。なんでだろう? 原題 Darkest Hour の指し示す通り、作はフランスがナチスドイツに大敗して始まる英国の最悪の時期に首相となった彼が、自らの心の闇を払い、ダンケルクの演説に至るまでの1か月あまりを描く。 有能な政治家とはいえ失敗も重ね、回りは与党も野党も敵だらけ。さらに全体主義への徹底抗戦の意志をくじくがごとく、欧州大陸で最悪の事態が始まる。その瞬間、彼が何を思い、何を知り、何を決断して、あの大演説に至ったか……。そりゃあドラマだ。 ところが、実際盛り上がるはずなのに、なぜか心がついていかない。 シーンは良いのに物語にならない シーンのひとつひとつはどれも良い。

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  • スター・トレック:ディスカバリー - 世界の全肯定が生んだ新しい物語 - farsite / 圏外日誌

    2017年イチ推しの作品と訊かれれば、『スター・トレック ディスカバリー』を上げるしかない。それは私が長年のスタートレックファンだからで、とても客観的な評価とは言えないのだけれど、このシリーズが表現して見せた世界、宇宙には、心底感動した。ものすごくスタートレックでありながら、ものすごく新しい宇宙だ。 『ディスカバリー』の解決 50年の歴史と720話を超えるエピソード、作品内では300年にわたる歴史を描いてきたスタートレックの最新作。設定の入り組んだ魅力的な作品世界を忖度すれば、物語は容易にパターナリズムの虜となる。スター・ウォーズですらエピソード7でそうなりかけたのだ。ところが革新性のため古い設定を打ち壊せば、ファンはまったく納得しない。 これを、『ディスカバリー』は、どう対処したのか? 『ディスカバリー』は、あらゆるシリーズ、エピソードの設定を、ほとんど無秩序に取り入れた。設定の整合性で

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  • 『ダンケルク』ウンコの呼んだ夢と現実の物語 - farsite / 圏外日誌

    第二次大戦中に実際に起こった英軍の救出作戦を描いた『ダンケルク』。すごい。物のスピットファイアすごい。ユンカースの爆撃音すごい。人を満載にしたV級駆逐艦(に装ったシュルクーフ級駆逐艦)の画面いっぱいの巨体、すごいすごいすごい! ああ、プラモデルで作った10センチ足らずの駆逐艦HMASヴァンパイアも、実際はこんなに大きかったのか……。ボートダビットの厚み、備え付けられたロープの太さ。ああ、そうだったのか、そうだったのか! 理解! 圧倒的理解! そんなわけでノーランの写実主義的な戦場にすっかり魅入られて忘れちゃいがちだけど、これ映画作品としては、ウンコがきっかけなんですね物語の。で、物語の始まりは写実的でありながら幻想的。 完全に無人となったダンケルクの街。古くから続く美しい街並み。ところが家には人の気配もなく、水すら出ない、まるでディズニーランドのつくりもの。そんな不思議の世界でリアルな便

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  • セルフリッジ 英国百貨店 シーズン3 - 海外ドラマ全話レビュー - farsite / 圏外日誌

    Twitterを使った、英国ドラマ『セルフリッジ 英国百貨店』(原題: Mr. Selfridge)おおむね140文字エピソードガイド&感想 シーズン3(全10話)。 あらすじ 第一次大戦終結から間もない1919年、ロンドン。戦時中に進んだ女性の社会真しゆつは復員兵の失業につながり、旧来の男尊女卑的な社会からの脱却は、混乱と痛みを伴うものとなっていた。 ハリー・セルフリッジのローズの死から1年が経ち、セルフリッジ家は久々の明るい話題に沸いていた。ハリーの長女ロザリーが、亡命ロシア貴族、ボロトフ侯爵夫人マリーの子息セルゲイと結婚するのだ。しかし、セルゲイには野望が、そしてマリーには秘密があった。セルフリッジ家に同居することとなったふたりとの生活は、一筋縄ではいきそうになかった。 そんなか、ハリーは女性起業家、ナンシーと出会う。先進気鋭の彼女は、復員兵向けの住宅地造成の計画を立て、ハリーにス

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