人間対コンピュータ 1997年、IBMのスーパーコンピュータ「ディープ・ブルー」が当時のチェス世界王者であるガルリ・カスパロフを破った。これは「人間対コンピュータ」の歴史において、今後も長く語り続けられるであろう大事件であった。この事件を機に、コンピュータはどこまで成長するのか、人間がやっているような頭脳労働は全てコンピュータが取ってかわってしまうのではないか、というような議論がずいぶん活発になった記憶がある。その一方、チェスでは負けたけど将棋や囲碁でコンピュータが人間を脅かすにはあと百年かかる、人間にはできてコンピュータにはできないことがたくさんある、コンピュータ脅威論はナンセンスだ、というような話もあった。 あれから十年経った2007年、今度はBonanzaという将棋ソフトが渡辺明竜王と対局するという、また別の「人間対コンピュータ」イベントがあった。人間にとっては幸いと言うべきか、結果