離職の本当の理由は、職場への不満であることが少なくない。こうした「隠れた本音」を知ることが優秀な社員を繋ぎ留める一助となる。 ジュディス・A・ロス=文 翻訳・ディプロマット 離職する社員はたいてい「より高い報酬」「よりよい機会」を理由に挙げる。ところが、離職の本当の理由は、職場への不満であることが少なくない。こうした「隠れた本音」を知ることが優秀な社員を繋ぎ留める一助となる。 スーザン・ジェームズが、ある全国誌での仕事を辞めた理由はいくつかある。「昇進の機会が約束とは違っていた。明確な将来の道筋がなかった。自分の意見に耳を傾けてもらえないと感じていた」。直属のマネジャーは彼女との「退職面接」など行おうとはしなかったが、この雑誌社の社長は彼女を昼食に連れ出して、なぜ辞めるのかと率直に尋ねた。「私も率直に理由を話した」と彼女は語る。 調査が示すところでは、スーザンが離職した理由はありふれてい