→紀伊國屋書店で購入 独特な本である。何が独特かと言うと、まずもって訳者たちの姿勢がである。翻訳書には珍しく、訳者のひとりによる長い(20頁もある)まえがきがついている。それだけでなく、翻訳部分のあとに、他のふたりの訳者もそれぞれ「論点提起」を書いている。単に訳しただけではなく、とことん咀嚼して、原著の意義と要注意点を見極めようとする訳者の意気込みが表れている。カバーのそで部分には、原著者のフィッツジェラルドを囲んで微笑む3人の訳者の写真が載っている。これも珍しい。訳者たちは著者に会いに行って議論した上でこの本を刊行しているのだ。要するにこれは、元気のいい若い社会学者たちが、原著と本気でがっぷり四つに取り組んだ訳書なのである。 表題にあるように、これはアメリカにおける「キャリアラダー」戦略についての本である。原著タイトルは”Moving up in the New Economy: Car
![『キャリアラダーとは何か-アメリカにおける地域と企業の戦略転換-』J・フィッツジェラルド著、筒井美紀・阿部真大・居郷至伸訳(勁草書房) - 書評空間::紀伊國屋書店 KINOKUNIYA::BOOKLOG](https://cdn-ak-scissors.b.st-hatena.com/image/square/00556ec8d329e859e4f66fd8f2fd0fb0c41afd0d/height=288;version=1;width=512/https%3A%2F%2Fcdn-ak.f.st-hatena.com%2Fimages%2Ffotolife%2FK%2FKinokuniya%2F20180502%2F20180502202152.jpg)