4月23日(木)、リヨン第三大学のエティエンヌ・バンブネ氏を迎えてセミナーが行われた。そのテーマは、メルロ=ポンティにおける「人間学」である。 バンブネ氏によれば、メルロ=ポンティの哲学は、「知覚の現象学」から始まって、最終的には「感覚の存在論」へと向かう体系であり、表立って「人間学」を作ろうとしたものではない。だが、彼の体系は、つねに一つの「人間学」によって支えられていると見ることができるのである。バンブネ氏は、ひじょうに明晰なしかたで、そのポイントを示してくれた。率直に述べるなら、メルロ=ポンティの「人間学」は、とてもバランスがいい。しかし謎めいた魅力のようなものはなく、どうにも健全にすぎる、とも感じられた。メルロ=ポンティは、動物的生(ゾーエー)と人間的理性(ロゴス)のあいだを決して切断しないが、同時に、人間の「象徴的」なロゴス、ものごとをそれ自体「として」対象化する言語能力が、やは
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