Armをソフトバンクが手放す、という報道が8月2日も日本経済新聞に報道されたが、ソフトバンクのバックにいるファンドや金融業者がソフトバンクの再建計画の一環で、Armの売却を検討している。「Arm再建」という見出しが躍っていたが、そうではない。「ソフトバンク再建」が主目的なのだ。Armの売却先がこともあろうに顧客の一つのNvidiaである。これにはまさか、と驚くと同時に、Armのビジネスが金融関係者には理解されていないのだなと思った。 図1 ソフトバンクグループ 孫正義代表 撮影筆者 2016年にソフトバンクがArmを320億ドル(3兆3500億円)で買収したが、その回収にはまだ至っていない。このため、金融関係者はArmを売却せよと言っている。しかし、ArmのIPビジネスは倍々ゲームといえるほどのスピードで売上額を伸ばしてきた。7~8年前は500億円程度の企業だったのが、今は2000億円の企