雇用情勢の悪化で入居者がほとんどいなくなったアパート。夜に明かりがともるのは階段(左端)を除いて1室(右上)だけだ=長野市内 県内で賃貸アパートなどの空き室が急増している。非正規労働者の寮として派遣会社などが契約していた部屋が、企業の「派遣切り」に伴い、一気に解約されたことが影響している。ほとんどが空き室になってしまったアパートもあり、建設費などの返済が残っている大家は動揺を隠せない。 長野市郊外の3階建てアパートは、ワンルーム全12室のうち9室が昨年夏まで埋まっていた。しかし、同年12月20日を境に入居が1室だけになった。市内の半導体関連メーカーに派遣され、アパートに入居していた8人を派遣会社が解雇し、退室させたためだ。 所有者は市内の女性(73)。10年ほど前に老後の自立した生活のために−と貯金をつぎ込んで土地を買い、建物は借金して建設した。入居は安定し、返済も順調だった。そこに降