■塾講師が教える自己啓発 分野を説明しにくい本だ。ひたすら夢(慶応合格)に向かって努力するおバカなギャルの女子高生さやかを、塾講師の目線から描く。ノンフィクションのようだが少し違う。小説のように、講師と女子高生の会話を軸に物語が進行する。受験する女子高生はひたすら勉強に邁進(まいしん)するが、その夢の動機や挫折の詳細には触れられることはない。 受験メソッド本としての要素もある。有用な教科書のガイド、得点力アップの方法に触れられる。また、聖徳太子を「せいとくたこ」と読むような、おバカなギャルの発言語録としてウケている側面もあるだろう。 だが強いて言うなら心理学の本である。巻末に講師である著者が用いた心理学のテクニックの用語解説が付いている。本書の核はここにある。夢の動機や挫折が詳細に描かれないのもそのせいだ。これは、素直なギャルを、自分のメソッドで引き上げる塾講師の物語なのだ。 学校の教師に