木村一生さん(中央)が作ったダイヤ。縦軸が駅、横軸が時刻で、斜線が列車の動きを表す。普通や快速、特急などと列車の種類で色が異なる。斜線が交差する所は、上下線の列車が行き違うなどするポイント=大阪市淀川区で2021年12月7日、北村隆夫撮影 鉄道のダイヤが秒単位で組まれているのはご存じだろうか。一般に公表される時刻表は分単位で記されているが、実はもっと細かい。その作成作業は、今も手仕事だ。定規とペンで緻密な世界を描き出す職人たちを訪ねた。【高橋昌紀】 図面に描かれる無数の「スジ」 1枚の紙(縦約50センチ、横約240センチ)に、複雑に交差する斜線がびっしりと引かれている。線の数は2000本ほど。この一本一本が列車の動きを表す。縦軸に駅名、横軸に時刻が記される。JR東海道線・山陽線の一部区間(米原―上郡間)における1日分のダイヤだ。 「ダイヤは5秒単位で作成しています。大阪駅や京都駅を含んでお