足立区は今月、戸籍や住民異動届に関する窓口業務の民間企業への委託を始めた。限られた正規職員を、より専門的で臨機応変な対応が必要な部署に充てるのが狙い。利用者からは丁寧な応対を評価する声が上がる一方、個人情報の取り扱いを心配する意見も聞かれた。 (奥野斐) 区によると窓口業務の総合的な民間委託は二十三区で初。窓口で応対するのは、区の委託を受けたITサービス業者「富士ゼロックスシステムサービス」(千代田区)が直接雇用し、戸籍制度や法律、接遇などの研修を受けた従業員。区役所一階の戸籍住民課で戸籍届け出や住民異動届、印鑑登録などの申請受け付けから発行、料金収納まで幅広い業務をこなす。申請を受理するか否かなどの「判断」は後ろに控える区職員が担う。 同社は全国十八の自治体で業務を請け負っているが、足立区は業務範囲や人口の多さから「過去最大規模」という。受託にあたり、別々だった戸籍と住民票の窓口を一つに