「黒字転換の見通しはいかがか」――。今年春先、シティバンク銀行に検査に入った金融庁検査局は、個人向け業務部門の収益状況について、こう指摘した。 2000年代に入ってからマネーロンダリング対策の不備や不適切な投信販売などで3度の行政処分を受けたシティ。「収益が低迷すると、無理な営業に傾斜しがちになる。適正な利潤を上げてほしい」というのが、金融庁の指摘の背景にある。 コンプライアンス体制の再構築を求めた金融庁に応じるかたちで、シティは2012年、三菱UFJやみずほフィナンシャルグループ 、三井住友フィナンシャルグループ の3メガから経営陣を招き、「コンプライアンス(法令順守)体制の改善は一定程度進んだ」(同庁幹部)との評価を得た。ただ、一方で難しかったのが、人件費などの経費削減。「コストコントロールがうまく行かず赤字体質からの脱却が進まなかった」(同)という。
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